ー接骨院の保険適用をやさしく解説|対象範囲・併用ルール・手続きのポイントー

2025.10.24

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まず押さえる基本:接骨院で保険が使えるケースと使えないケース

接骨院(整骨院)で健康保険が適用されるのは、原則として「急性・亜急性の外傷」です。たとえば、転倒やスポーツでの捻挫・打撲・肉離れ、物を持ち上げた瞬間のぎっくり腰、段差で足をひねった直後の痛みなど、原因と発生日がはっきりしているケガが中心です。いっぽうで、慢性的な肩こりや疲労回復、慰安目的の施術は保険の対象外となり、自費扱いになります。最初にこの線引きを理解しておくと、トラブルを避けながら賢く通院できます。

保険適用の代表例(対象)

・捻挫・打撲・挫傷(肉離れ)などの外傷
・日常生活やスポーツ中の明確な受傷
・ぎっくり腰など、発症時期と原因が特定できる痛み

保険適用外の代表例(対象外)

・慢性的な肩こり・腰痛の緩和、疲労回復、姿勢改善のみを目的とするもの
・原因や発生日が曖昧な痛み
・美容・リラクゼーション目的の施術

支払いの仕組み:療養費・委任払い・自己負担の考え方

接骨院の保険適用は「療養費」と呼ばれる制度で取り扱われ、一般的には「委任払い」が用いられます。これは、患者さんが窓口で一部負担金(1〜3割など)を支払い、残りは院が保険者に請求する方式です。月ごとに施術内容や負傷部位、原因、負傷年月日などが明細に整理され、患者さんの署名をもって請求が行われます。領収書と明細の受け取り・保管は、後日の確認や保険者からの問い合わせに備える上でも大切です。

窓口で確認しておきたいこと

・保険が適用される負傷名と部位
・自費になるメニューや物販の有無、料金
・通院頻度の目安と、改善に応じた見直し方針

患者署名と保険者照会

療養費では、請求内容に患者署名が必要です。また、保険者(健康保険組合や協会けんぽ等)から「照会文書」が届く場合があります。受診の事実や負傷原因、通院状況などを確認する書類ですので、落ち着いて事実のとおりに回答すれば問題ありません。

骨折・脱臼の特例:医師の同意と応急手当

骨折・脱臼は、原則として医師の同意(または診断)を得て施術を行います。ただし、受傷直後の「応急手当」は同意前でも可能です。その後は速やかに医療機関で診断を受け、必要な固定や画像検査、注意事項を確認しましょう。接骨院では、その情報を踏まえて機能回復の支援を行います。

同意取得の流れ

・応急手当後、医療機関で診断(必要に応じて画像検査)
・診断名・固定期間・注意点を共有
・回復段階に合わせ、接骨院での施術と運動指導を実施

再評価と復帰計画

骨折・脱臼は経過で状態が大きく変わります。関節可動域や筋力、痛みの具合を定期的に再評価し、医師の指示と矛盾しない範囲で段階負荷を調整します。復帰目標(仕事・学校・競技)を最初に共有しておくと、計画の軸がぶれません。

重複・併用のルール:同日・同部位・自費メニュー

同じ負傷・同じ部位で、同日に医療機関(整形外科など)と接骨院の両方を受診する場合、保険の取り扱いが制限されることがあります。特に、同一部位・同一負傷での重複請求は認められません。診断と画像検査は医療機関、日常の機能回復は接骨院、と役割分担を意識しつつ、受診日や内容が重ならないようにしましょう。

自費メニューとの併用

保険で認められた施術範囲を超えるケア(長時間のコンディショニング、姿勢・フォーム指導、物販など)は自費になります。保険分と自費分は領収書上で区分し、事前に料金説明と同意を取るのが安心です。

通院の切り替えと情報共有

症状の悪化や長期化、神経症状の出現があれば、速やかに医療機関の受診へ切り替えます。診断名や運動制限、注意事項を接骨院と共有すると、重複を避けつつ安全に回復を進められます。

交通事故・労災のとき:健康保険とは別の制度

交通事故では、自賠責保険や任意保険による補償が関わります。健康保険を使うかどうかは状況により異なるため、保険会社・医療機関・接骨院で早めに方針をすり合わせましょう。労災の場合は、原則として労災保険での対応となり、健康保険は使いません。必要書類や手続きは事業所を通じて確認し、受診先には労災である旨を必ず伝えましょう。

事故・労災時の実務ポイント

・まず医療機関で診断と必要な画像検査を受ける
・保険会社(または事業所)と連絡を取り、支払い方法を確認
・接骨院には保険の種別(自賠責・任意・労災・健保)を正確に伝える

第三者行為のとき

第三者(加害者)の行為によるケガで健康保険を使う場合は、「第三者行為による傷病届」の手続きが必要です。提出先や必要書類は保険者に確認し、事故状況や受療先の情報を整えておきましょう。

よくある疑問と回答:期間・証明・照会への対応

保険はいつまで使えるのか、証明書はもらえるのか、照会が来たらどうすればよいのか。実際の通院で迷いがちなポイントを整理します。曖昧なまま進めず、都度確認することが結果的に早い回復とトラブル回避につながります。

いつまで保険が使える?

「痛みがある限り永続的に」ではありません。急性・亜急性の範囲で、回復過程に必要な施術に限られます。改善に合わせて通院間隔を広げ、一定期間で効果や目標達成度を再評価しましょう。

証明書や明細は出る?

領収書と明細は原則として発行されます。診断書が必要な場合は医療機関での発行となるため、整形外科などで相談しましょう。部活動や会社へ提出する復帰目安は、医師・療法士・接骨院で整合性を取ると安心です。

保険者から照会が届いたら?

落ち着いて事実関係を記入し、提出期限を守れば問題ありません。内容に不明点があれば、通院先に記録の確認を依頼しましょう。

トラブルを避けるチェックリスト:患者さんができる備え

保険適用はルールを守れば難しくありません。最初に「対象・手続き・併用」の三点を押さえ、記録を残すだけで多くの誤解は防げます。次のチェックリストを初回〜通院中に活用してください。

初回に確認すること

・負傷原因と発生日を自分の言葉で説明できる
・適用される負傷部位と、自費になる範囲が明確
・通院計画(頻度・目標・評価指標)が共有されている

通院中に続けること

・痛みスコアや可動域、できる動作を記録
・医療機関を受診した日は内容と部位をメモ
・領収書・明細・説明文書を保管

まとめ:ルールを知れば、安心して保険を活用できる

接骨院の保険適用は、「急性・亜急性の外傷に限る」「同一部位の重複受診は避ける」「自費との区分を明確にする」という三本柱を守れば、難しくありません。骨折・脱臼は応急手当後に医師の同意を得て連携を強化し、事故や労災では制度の違いを早めに確認しましょう。仕組みを理解しておけば、ムダなく安全に回復を進められます。

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